君へ。君とはじめてであったのはいつだろう。
ただなんとなく放課後の学校の下駄箱の横のベンチに座っていた時。
僕はいつもたった20分たらずの日が沈む間の儚い心みたいな空をみるためにそこにいた。
日が沈む瞬間、僕は目を瞑って、何も考えずただ暗闇の中に身をおいているんだ。
しばらくして目をあけると、君は向かいのベンチに座ってて。でも君も空をみてた。
僕は空を見るふりをして、君をそっと見ていた。長い髪、白い肌。でもどことなく寂しそうな顔をしてた。
ふと目があって、動揺した僕はうつむきかげんに目をそらす。
君はなにも言わずに僕のほうをじっと見て。
そして一回うなずくと、立ち上がって少し背伸びして、去っていった。
去っていく君の背中を見送って、僕はまた空を見上げた。
「あぁ、これが、恋か。」
僕は心の中でそう呟いて、バックを肩にかけてその場を後にした。
続きを読む